日本の華やかなトーナメント中継からは見えてこないのが、米国下部ツアーを転戦する選手たちを取り巻く劣悪な生活環境と強烈な経済的コストです。
現地を継続取材する関係者の証言によると、1シーズン(約26戦)をフルに追う場合、渡航費、レンタカー代、安価なモーテルの宿泊費、プロキャディへの週給(約1,500〜2,000ドル+歩合)などを含め、年間経費は最低でも1,500万円〜2,500万円規模に膨れ上がります。スポンサー契約のない若手選手にとって、数試合連続で予選落ちが続けば一気に自己資金が底を突くプレッシャーと背中合わせです。
日曜日の夕方にフロリダでの試合を終え、月曜日の早朝便で中西部へ飛び、レンタカーで3時間走ってコースに到着後、そのまま火曜日の公式練習ラウンドに突入する──。こうした移動距離数千キロの強行スケジュールが毎週続きます。「食事はファストフードばかりになり、夜はモーテルの薄い壁越しに聞こえる音で眠れない日もある」といった手記や告白が示す通り、ゴルフの技術以前に、環境適応能力と屈強な心肺・内臓のタフさが試されるのです。