この夜、主役の座を奪ってみせたのはカージナルスのラーズ・ヌートバーだった。日本でも絶大な人気を誇るリードオフマンが、重要な局面で圧巻のパフォーマンスを披露した。
同点で迎えた7回表。フルカウントからの7球目、相手エースの外角低めへと沈む勝負球を完璧に捉えた。快音を残した打球は右中間スタンドへと一直線。ボールがフェンスを越えた瞬間、敵地の喧騒は一瞬にして静まり返った。ダイヤモンドを周回するヌートバーの力強いガッツポーズが、チームの士気を最高潮へと引き上げたのは言うまでもない。
「狙っていた球を1本で仕留めることができた。チーム全員で勝ち取った一打だ」
試合後のインタビューで静かに語った彼の表情には、リードオフマンとしての強い自負が滲み出ていた。