通信陸上を語る上で欠かせないのが、重層的に設定された「2つの標準記録」の存在です。大会に出場するための関門と、全国大会へ駒を進めるための関門が明確に分かれています。
まず第一の関門が、都道府県ごとに設定される通信陸上エントリー資格(通信陸上参加標準記録)です。この基準は地域の実情や競技人口に応じて各都道府県中体連が独自に設定しており、公認記録会や支部予選でこの基準タイム・距離をクリアした選手だけが県大会の舞台に立つことができます。
そして選手たちが全力を注ぐ最大の関門が、全中陸上標準記録突破です。こちらは日本陸連が種目ごとに定めた全国一律の極めて高いハードルです。通信陸上の決勝だけでなく予選や準決勝であっても、電気計時(写真判定)かつ風速制限(追い風2.0m以内)などの公認条件を満たした状態で指定記録を突破すれば、その瞬間に全中への出場権が確定します。
順位が何位であっても、記録さえクリアすれば全国への扉が開く点が通信陸上の醍醐味です。一発勝負のプレッシャーの中で自己ベストを更新できるかどうかが、運命の分かれ道となります。