発症初期の身体のサインにも、驚くほど明確なコントラストが存在します。以下のチェックリストは、医療機関を受診する際の重要な判断材料となります。
【初期症状チェックリスト】
- 喉が異常に渇き、1日に何リットルもの水分を欲する
- 夜間に何度もトイレに起きるなど、排尿の回数と量が著しく増えた
- 普段通りの食事(または過食)をしているのに、数週間で数キロ単位の体重減少が起きた
- 全身の脱力感や激しい倦怠感が抜けず、階段を上るのも辛い
- 呼気から甘酸っぱい果実のような臭い(アセトン臭)がする
上記のリストのうち、特に「急激な体重減少」と「異常な喉の渇き・多尿」が数日〜数週間の短いスパンで同時に押し寄せてきた場合、1型糖尿病の発症、あるいは急激に悪化する急性発症・劇症1型糖尿病の疑いがあります。インスリンが枯渇するとブドウ糖が筋肉や脂肪に届かないため、身体は自らの筋肉や体脂肪を急速に分解してエネルギーを作ろうとします。その副産物としてケトン体が血液中にあふれ出し、血液が危険な酸性に傾く「糖尿病ケトアシドーシス(DKA)」に陥ると、悪心や意識障害を引き起こし、緊急搬送を要する生命の危機に直結します。
対照的に、2型糖尿病の初期は「沈黙の病」の異名通り、自覚症状がほとんどありません。健康診断で数値を指摘されても放置してしまい、数年から十数年をかけて血管障害が進行した段階で、足のしびれ(神経障害)、視力低下(網膜症)、尿の泡立ち(腎症)といった「3大合併症」の自覚症状として表面化するケースが極めて多いのが現実です。