言葉の遅れに直面した際、自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害を懸念する声も少なくありません。しかし、専門医であっても1歳9ヶ月の段階で「言葉が出ていないこと単体」をもって診断を下すことは原則としてありません。言葉の発達だけでなく、「社会性」や「感覚面」を含めた全体的な行動特徴を総合的に観察する必要があります。
留意すべき行動のチェック項目としては、以下のような要素が挙げられます。
・視線が合わない:呼びかけやあやしかけに対して目が合いにくい
・模倣(まねっこ)をしない:「バイバイ」「パチパチ」などの身振りを全く真似ようとしない
・強いこだわり:物の配置や特定の順序に激しく固執し、変更されると激しい癇癪が続く
・感覚の極端な偏り:特定の日常的な音(掃除機やドライヤーなど)に異常に怯える、あるいは痛みに極端に鈍感
これらが複数重なり、日常生活での意思疎通に強い困難が生じている場合は、専門機関(地域の療育センターや発達相談窓口)への早期相談が視野に入ります。一方で、目が合い、こちらの表情を伺い、笑顔でやり取りを楽しめているのであれば、言葉の表出だけがゆっくりなタイプである可能性が高いと考えられます。