1杯数万円の衝撃!世界一高いコーヒーの驚愕相場と落札の舞台裏の重要ポイントをお届けします。役立つ情報がチェックできます。

なぜパナマの特定の豆がこれほどまでに高騰したのか。その震源地となったのが、パナマ西部ボケテ地区に位置するハシエンダ・ラ・エスメラルダ(Hacienda La Esmeralda)である。2000年代初頭、農園主のプライス・ピーターソン(Price Peterson)とその家族は、農園内の一角に植えられていた病気に強い風変わりな樹に注目した。それこそが、エチオピアのゲシャ村原産とされるゲイシャ種(Geisha Coffee)だった。

収穫した豆をカッピングした瞬間、審査員たちは言葉を失った。従来のコーヒーが持つ香ばしさや苦味とは次元の異なる、ジャスミンの花、ベルガモット、完熟したピーチを思わせる圧倒的なフローラルノート。2004年の品評会に登場したこの豆は、審査員に「カップの中に神の姿を見た」とまで言わしめた。この瞬間からスペシャルティコーヒー産業全体のパラダイムシフトが始まり、ゲイシャ種は富と名声の象徴として世界中から追い求められる存在となった。