全国の100円ショップで販売されている印鑑は、主に朱肉をつけて押すプラスチック製の白ラクト「三文判(認印)」と、インクが内蔵されたキャップレス等の「浸透印(シャチハタタイプ)」の2系統に分かれます。低価格ながら実用に耐えうる品質を維持している一方、チェーンごとにラインナップの広がりには顕著な差が存在します。
取材データおよび店頭調査によると、業界トップシェアを誇るダイソーの印鑑苗字一覧は約788種類となっています。日本の人口上位を占める「佐藤」「鈴木」「高橋」「田中」といった全国的なメジャーネームは高確率で網羅されているものの、少し漢字の組み合わせが変わるだけで棚から姿を消す傾向が見られます。日常的な認印や簡易的なシャチハタを求める一般的な名字の方であれば、ほぼ不自由なく手に入る基本構成です。
これに対し、名字の網羅性において群を抜くのがセリアです。セリアの印鑑名前一覧は約1,815種類を数え、ダイソーの2倍以上のバリエーションを店頭に展開しています。全国ランキングで数千位から1万位前後に位置するような「少し珍しい苗字」であっても、セリアの印鑑什器であれば既製品として陳列されているケースが珍しくありません。「ダイソーになかったがセリアを覗いたら買えた」という声が現場で頻発するのは、この圧倒的な仕入れ点数の違いに起因しています。
一方、キャンドゥにおけるはんこの在庫事情は、店舗ごとの立地や売場面積に大きく依存しています。駅ナカや小型テナント店では印鑑タワーそのものを撤去している事例が目立つ一方、郊外の大型ロードサイド店では一定の棚割りを維持しており、訪問前の見極めが極めて重要となっています。