再現するモチーフの幅広さも、この手法が愛される理由のひとつだ。宮崎駿監督が描くスタジオジブリ作品の優しい水彩画タッチから、集英社が発行するジャンプ作品の鋭い劇画調まで、線と色の加減ひとつで完璧に表現し分けられる。
社会現象となった『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』に登場するキャラクターのように、複雑な髪の毛のグラデーションや瞳の細やかな光の表現も思いのままだ。従来の海苔切り技術では数時間かかっていた作業が、筆と食用色素を使えば短時間で劇的に精度高く完成する。髪の毛の毛先一筋まで妥協したくない親心やファンの熱量が、作品のクオリティを底上げしている。